ドラム缶窯で炭焼き(1日目)、ホタル乱舞

定例活動日の前日から炭焼き&ホタル観察会のキャンプを募った。朝からすばらしい天気。しかしそれほど暑くはない。

早朝から香川淡水魚研究会の川田先生が指導する桜井高校の生徒さんたちが、ため池の調査に入っている。

待望のカワバタモロコが見つかる。昨年の減水でアオサギに捕食されたせいか、魚類は激減していたのだった。ちょっと安心♫

さて炭焼きである。このドラム缶窯を作ったのは2020年の11月で、小屋掛けは翌月の12月。それから実際の炭焼きは行わず仕舞いで、3年半も置きっ放しになっていた。なにしろ炭焼きは1日では終わらない。2日の活動日をまたぐ必要がある。というわけで、ホタルの季節でもあり、炭焼きキャンプをやろうということになったのだ。

ロストルを敷いてそこに炭材を入れていくのだが、近所のMさんのアドバイスで材は縦置きがいいという。そこでいく本かを束に縛って・・・

奥から立てていく。

もちろんぎっしり詰めた方がよいのだが、円形かので両側は丈を短くしないと入らない。なので両端のすき間は横置きで突っ込んでいく。

下の「五名ふるさとの家」の庭では2機のドラム缶窯を設置してあり、地元のMさんはすでにそれを経験済みである。しかも、Mさんの祖父はこの辺りの山で炭焼きをやっていたプロなのだった。というわけで、粘土まで持参してきてくださった。

焚き口にレンガと粘土で縦壁を作って炎を上から回した方がよいとのことで、Mさんがどんどん作ってくれる。

炎はいったんこの壁にぶつかり、上部の開口部から窯の中に入っていく。こうすることで窯が均一に熱せられ、焼きムラが少なくなる・・・という寸法である。

蓋を閉め、焚き口の一斗缶を差し込んで、レンガで保温壁を作り、粘土で目止めしていく。

昼12:15、焚き始める。Mさんブロワーまで持参してきてくれ、炎をがんがん上げていく。

煙突から煙が出始める。ここで白い煙の勢いが増し、温度が高くなるまで焚き続ける(最低2~3時間)。

沢筋にはウツギの白い花がたくさん咲き始めていた。水路にはびこる灌木は根こそぎ取ることはせず、風通しを阻害しない程度に刈り残すことにしている。このウツギにも甲虫類やハチなど多数の昆虫が吸密に来る。

今日は初めての参加者が2組、小豆島からYさん親子、そして白鳥からHさん。

Yさんのお子さんが昆虫を追いかける。会の大口径のネットでトンボを捕まえてあげることにした。

この季節に飛び始めるクロスジギンヤンマだ。ギンヤンマが平地に多いのに比べて、このクロギンは山間部の小池など見られる。いずれも日本〜東南アジアを代表する美種である。

沢の上流でイモリも採取する。モエビもとても多い。またモノアラガイの稚貝もたくさん観察できる。ヘイケボタルの幼虫はこの貝を食べて育つ。今日の夜は期待できるかもしれない。

炭化が始まったので木酢液を採ることにした。長い竹筒を加工して煙を蒸留させて容器で受ける(酸性が強いので本当はアルミ缶ではなくガラスのコップなどが良い)。

炭窯での焚き上がりは12~15時間程度といわれている。その温度を持続させるための薪もかなり必要になる。

同時進行でカレー作り。今日はスパイシーだけど辛くないバターチキン。

奥では石高OB の2人が根菜を茹でる。

スパイス(カルダモン・シナモン・クローブ・パプリカ・クミン・コリアンダー・八角)、ニンニク、ショウガ、トマトが煮詰まったら、ヨーグルトにまぶしておいた鶏肉を投入。

カシューナッツのペースト、生クリーム、砂糖を入れる。

これに完璧に炊き上げたターメリックライスを添えて・・・

スパイシー・バターチキンカレーの完成♫

さて窯のほうは煙突にも断熱のレンガをかぶせて・・・そろそろ焚くのを止めて窯口を小さくする。ついでにアジの開き(ひと塩)も炭火焼きしちゃうのだ♫

夕刻、ホタルが飛び始める。

思いの外、大量の乱舞が見られた。水路を自然状態に保った「大地の再生」の成果が出ているようだ。嬉しい❣️

煙が白から透明感のある青に変わったら炭化終了の合図。焚き口と煙突を粘土で完全密封してあとは窯が冷めるのを待つ。この時間は炭化に要した時間と同じだけ置く。

ということで密封したのは深夜0時を回ったところだった。

(続く)