モクレン咲く、春の野草料理

気になっていたタラノメ。・・・・もう少しだった。右の沢の堰堤に向かう道すがら、かなりの数が林立しているのだけど、今年もあまり食べれないかもしれない。

ビオトープ田んぼのニホンアカガエルのおたまが大きくなってきた。

基盤整備で乾田化された田んぼでは産卵できないため、そして自然の湿原も減少したため、ニホンアカガエルは激減した。もうひとつの危機はコンクリート三面張の水路が森から産卵場への移動の障害になってしまうことだが、ここGomyo倶楽部の水路は2面張で側面が穴開きで凹凸があり、なんとか這い上がれるのだろう。あるいは棚田のある馬の背で冬眠したつがいが居たのかもしれない。

数年前N先生が植樹したモクレンが、今年初めて開花した。植えて1〜2年は忘れられ、雑草に埋もれていたこともあったが、2年ほど前から気にかけて草刈りや剪定をして樹形を整えていた。

木蓮(モクレン)の花言葉は「自然への愛」「崇高」「持続性」だそうだ。今年はしっかりと葉を繁らして、やがて広場のシンボルツリーになるだろう。

前回の天然マダイとサーモンをFsさんが燻製にして持って来てくれた。

それをつまみながら今期の最初のミーティング。人事や会計報告について。途中、当地の地主であるKさんが仕事仲間の方々と突然訪問され、敷地や小屋掛けの様子など見ていただきながら歓談した。

山菜の季節なので何かしてみたいと思い・・・。天ぷらは前回やったので今日はおひたし系であっさり行こうかな、ととりあえず湯を沸かす。

ささっと4種、摘んできた。あと蕎麦畑跡に植えた菜花も採取。

昼のメイン、猪肉うどんはFsさんの奥様とAMコンビにお任せして、エビネの群落に倒れかかりそうな枯れ木をK嬢に伐ってもらうことに。

ロープをかけて群落に落ちない方向に誘導して倒す。このとき、受け口の位置・方向が非常に重要になってくるのだが、林業女子4年のK嬢はなんなくそれをやってのけた。

枯れ木は適当に玉伐りして斜面に落とす。だいぶ腐食が進んでいる木もあるが、これもいい薪になるだろう。使えるものは遊歩道のステップ用に残してきた。次回は道づくりもやらねばならない。

A君が管理釣り場のレインボーを差し入れしてくれた。

囲炉裏を使って、片側でムニエルを。

長方形の囲炉裏はほんとうに便利である(自在カギはスライドできるように作ってある)。うどんが配膳される。

ムニエルも美味しそう!

うどんの食後、僕は山菜類を茹でる。塩を少し入れて。

アクのあるものはその後、水にさらし、さらに醤油洗い(水で割った醤油につける)しておく。

菜の花の蕾はレモン塩とアーモンドのすりおろしで和える。仕上げに亜麻仁油。

カンゾウも甘くて美味しかった。カンゾウは地面の付け根の白いところが美味しいく、上半分の緑葉は使わない(苦くてかつ陰性が強い)。アザミも美味しいがいかんせんトゲが・・・。ハサミで切ってから処理すべきであった(天ぷらにすると気にならないのだが)。

その間、メンバーは枯れたガマを堆肥に運ぶ処理。

小麦粉があったのでもう一品つくることにした。茹でてアク抜きしたヨモギを包丁で細かく叩き・・・

すり鉢で擂(す)る。この擂り粉木は囲炉裏の炉縁に使ったスギの木の先端の材である。あまり知られていないがスギの先端材は道具の柄に使うことができる。生き節があるので芯持ちでも割れがはいらず、軽くて硬いのである。

いい感じに擂れた♬

小麦粉で溶いて緑の生地ができた。余ったアーモンド擦って入れてしまえ〜。ちなみにナッツをスリスリする器具は2年前にヤフオクで手に入れたスイス製のもの(こちら)。

これをバターでパンケーキに。

塩味のヨモギのパンケーキ。ちょうどいいおやつになった♬

夕刻、久しぶりに左の沢の様子を見に行く。まだユキモチソウの芽生えは見られなかった。

それにしてもイノシシの荒らし方が尋常ではない。

というか、山全体がなにか荒涼とした感じで春の息吹が感じられないのだった。砂防ダム完成から丸8年、いよいよ上流部に詰まりの影響が出始めた感がある。

この沢の崩壊(土石流)は平成16年(香川県に記録的な降水量をもたらした2004年10月19日~20日の台風23号)のことだった。崩壊したということは、詰まっていた地形を自然の力が解放したということである。その原因は上流部の竹林の放置だけではなく、下流域の開発によるコンクリート化、そしてゆる抜きを止めてしまったため池(定期的なゆる抜きをしなければ砂防堰堤と同じような空気詰まりをもたらしてしまう)にも原因があったかもしれない。

その後、2014年の土木工事によって改修され、2基のコンクリート砂防堰堤によってがっちりと固められ、2面張水路と道路も作られた。棚田は大変管理しやすくなったけれども、「大地の再生」的にみると沢筋の空気の流れが大きく遮断されてしまった。香川県初の「自然親和型」の土木工事とはいえ、2基のコンクリート堰堤はあまりにも上・下流の断絶効果が大きすぎる。

さらに下流域では新たな建設による地面のコンクリート化が進んだ。2年ほど前だったか、中間地点で小さな土砂崩壊で道が塞がれたことがあった。それも象徴的な出来事だった。

コンクリートの堰堤によって沢筋の地中の空気が動かなくなり、山の斜面を嫌気的な微生物が支配するようになると、腐葉土がどんどん分解されてしまい、表土が薄くなり、落ち葉の堆積が地面に吸い付かなくなり、それら沢に流れ落ちて、沢掃除の手も入らない現在では、沢の各所に泥だまりができる。それが水量を減らす原因にもなり、さらには泥だまりがヘドロ化して有機ガスを発生させ、沢筋の木々に「枝枯れ」が起きる。

イノシシがそこを荒らすのは、実は餌を探しているのではなく、嫌気的(無酸素)になった大地を再生するために、地面を掘り、獣道によって風通しを作り、酸素通しをしてくれている・・・と見ることもできる。

これは五名だけでなく広く全国的な問題なのだが、土石流によって解放された大地の意思を損なわないような、もっと自然に寄り添った土木工事が必要なのだ。それは決してコンクリート土木を否定するものではない。次回の土石流を防ぎつつ上・下流の生物の行き来や空気の流れを遮断しないような、新たな構造を創出すればいいのである。

そして、棚田の自然農、ため池ゆる抜きの再現、炭焼きの復活による雑木林の更新、竹林の利用促進などが復活することによって、豊かで清浄な沢水が常に流れ、下流の田畑を潤し、それが連続することで海も豊かになる。

「農地と生物のネットワーク」Illustration by MASANOBU OHUCHI

それには薪火を使う「食」が伴うことなくしてできることではなく、またこの場所だからこそ都市部では決して得られない感動的な食の喜びを味わえる。里山というのは、適度に人の手が入ることで美しくなり生産性も高まる。そして、里山の生き物たちはその人の手入れに寄り添う生き物であったのだ。

次回4/17は自然観察会にむけて整備いろいろ(鹿肉料理❣️予定)。次週は有志によるため池掃除もありますので行ける方はよろしくお願いします!

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