いよいよ石窯本体の型作りにかかります。F先生制作の鉄の扉が間に合いました。ドアはまだですが、現場で溶接できるそうなので、型と一体化させていきます。扉枠に付けた鉄筋は粘土に潜り込ませて扉を頑丈に補強するためのもの。
ところで前回つくった床だが、ちょっと横幅が狭い気がしたのでレンガ2個分を左右に追加して膨らませることにした。ピザを焼くことが多いと思うので、燃焼スペースを確保するためである。
しかし、予想通り台座の積み石がじゃまをしてフラットにならない。
ここは石を欠いてなんとか平らになった。ハンマーの角がグラインダーで研ぎ出してあっったのでやりやすかった。
こちらはレンガを削ったほうがよさそうだ。
S先生がグラインダーで削って調整してくれた。
隙間には花崗土を入れて調整し、周囲は粘土で固める。
外周のレンガを並べてみる。石窯の形には球形・楕円形・巾着型・カマボコ型・・・など様々な形がとれるが、私はこの馬蹄型が好きだ。炎の流体力学的にもこれが一番理にかなっているはず。そして、この美しさは粘土でしか造れないのである。ところで、ここで扉枠の一番下の鉄筋が粘土の壁に入らないことに気づく。
そこでグラインダーで削り取る。
OK。下の鉄板が広いのでこれでも強度は出るだろう。
粘土を塗って外周のレンガを固定していく。ここで五名在住の彫刻家Oさん見学に登場。
お昼。シーザーサラダ、新タマネギの味噌汁。おにぎり2種。美味しかったです♬ 味噌汁おかわりしました。
いよいよ型作りに入る。内壁の形をイメージして土まんじゅうを作っていく。その前に、土が取り出しやすいようにクヌギの枝丸太を何本か置いておく。
おっと、その前に新聞紙を敷いておかねば。床が汚れたら嫌だからね♬
扉開口部の押さえはスギのバラ板をねじ止め。インパクト忘れてしまったので手ドライバーで、若手Y君のちからを借りる。
ここに土を盛っていきます。
最初、レンガの高さまで内側の角に土をしっかり充填するのが大事。土圧でレンガが動かないように押さえながら詰める。
そして始めの垂直に近い壁の立ち上げが難しい。板とコテを使って両方から押すように固めていく。
扉近くは逆アール(曲面)になっているので抑えに竹を利用した。
円心部の高さを見るために、柱を利用して40㎝の高さにヒモを張っておいた。
完成したら濡らした新聞紙を貼っておく。
そして新聞紙とレンガの接触部だけを粘土で固めておく。時間があればここから一気に粘土を練って造ってしまってもいい。
土の中に入る異形鉄筋部。
窯の形が見えてくると、わくわくして俄然やる気になってくる(笑)。
そして、上部にかっちりした、あるいは滑らかな曲線をもったものが載ると、下の荒々しい石組みがまた映えてくるから不思議である。
次回(5/26)はいよいよ粘土で本体を築きます!
※ 石窯づくりのテキスト『石窯づくり早わかり』(須藤章著/創森社2009)によれば石窯のサイズは「内径で80〜120㎝、奥行き80〜130㎝、高さ35〜45㎝」とある。この窯は内径72㎝、奥行き90㎝、高さ38㎝になったので、平均よりやや小さめの窯になる。また扉の開口部のサイズは「幅40〜55㎝、高さ25〜30センチ」(同書)としているが、この窯は幅38㎝、高さ25㎝をとっている。
著者の須藤さんには18年前に雑誌の取材でお会いして、石窯の造り方を描かせていただいたことがある(おそらく日本で初めて石窯の紹介・イラスト化)。そして数年後、全国の森林系のグループで石窯づくりがブームになり、現在に至る。