尾根道探索、リンドウの群落もどる

秋晴れの良い天気です。ちょっと出遅れたら先に到着していたA君から連絡が入る。今日は坂出のMさん親子も来ているはずだった。

蕎麦畑は葉が黄ばみ始め・・・

充実した実がついています。

まだ青いのがあるので収穫まであと2週間くらい。

午前中は焚き火のレクチャーなどをして、シシ汁とすいとんの準備。

今日は東と西からきた子供2人です。さっそく遊び始めます。

「今日はすいとん」と聞いて、それなら製麺機でうどんにしてしまうおう・・・とひらめいて、しばらく使っていなかった「小野式製麺機」を持ってきました。ただ、粉が少なかったので、倉庫に賞味期限切れを少し過ぎていた「金ちゃんラーメン」の袋をみつけてそれをミックスすることに。

リンドウを摘んできたのでテーブルに飾ります。

しかし、毎回思うのだが・・・テーブルクロスが欲しいな・・・。

イノシシ肉は最近獲れた大型で、脂が少ない肉だというのだが、けっこうやわらかくて美味しかった。顆粒の出汁の元は使わずラーメンのスープ袋と味噌だけだが、けっこういい味が出た。解凍したイノシシ肉の場合、おいしく作るにはコツがあって、

1)ドリップをよく切ること

2)お湯をぐらぐら沸かしておくこと

3)入れるときにくっついた肉片を一枚一枚はがして入れていくこと

4)再び沸いてきたらアクが出るのでこまめに取ること

こうしないと汁が濁りイノシシの臭いやクセが汁に溶け込んでしまい、修正できない。そしてイノシシ肉はいちばん先に煮ておいて味を出し柔らかくしておき、それから野菜を入れていくといい。

午後はまだ行ったことのない右手の尾根を探索してみることにした。ここはアカマツが多く、噂ではマツタケが出ると聞いていたからだ。

棚田のあるベースの広場は標高300mくらい。尾根の小ピークは420mくらいあるので直登するとけっこう急である。途中岩場がありウバメガシの純林になっている。

ネズ(ネズミサシ/モロダの木)も見受けられる。植物の生育にはきびしい痩せた乾燥尾根であることがうかがえる。

アカマツもひんぱんに出てくるが、枯れたものが多数ある。全体に乾いていてキノコの気配はなかった。

小ピークの手前にちょっと展望が開けるところがあった。吉野川対岸の峰々と、鳴門方面の海が見える。

キノコや昆虫の収穫はなかったので、かわりに空き缶などのゴミを収集しました。

帰りは尾根伝いにお墓のあるところまで降りる。ヤマザクラと朴の木の並びに倒木がからんでいた。周囲の山は竹が衰退してきたかわりに、このような風倒木がたくさん見られる。囲炉裏やカマド用の薪は取り放題である。が、このような採取をともなった手入れが放棄されたことが、マツ枯れをもたらしたとも言えるのだ。マツが枯れれば、マツの菌根菌として共生するマツタケも消えてしまうのである。

ともあれ、怪我もなく下山できて一安心。来シーズンはもう少し早い時期にキノコ狙いで入りたいね。それまでに雑キノコの勉強もしなければ。

さて、今日のトピックはリンドウがたくさん開花していたことだ。今年は草刈りのタイミングがよかったのか、リンドウが復活の兆しをみせはじめたようです。

夕刻まで皆でリンドウの周辺を手刈りし、目印の竹を立てました。ここのリンドウはほふくするように茎を長く伸ばすので、花とは離れたところに根っこの位置があり、誤伐しやすいのでとくに注意が必要なのだ。どうやらススキの斜面にまだ潜んでいる気配があるので、次回はススキの高刈りをしてみようか・・・。

リンドウ、オミナエシ、ホタルブクロなど、山村の美しい在来種が忽然と消え始めたのは、除草剤や農薬の使用もあるだろうが、最大の原因はエンジンカッターによる過度な刈り払いにある。地際から一斉に広範囲を刈ってしまう現代の草刈りは、特定の強い植物だけが生き残ることになってしまう。

地際の刈り払いは部分的・分散モザイク的にするべきで、在来種の生き残る余地を残し、また見つけたら優位になるように手刈りで誘導するべきである。そのためにも「風の草刈り」(高刈り・撫で刈り)が非常に重要なテクニックとなる。

高刈り・撫で刈りをしておくと植物は伸びが遅くなる。成長点を切っているので脇芽や脇枝が成長し、それにともなって地中では根が細根化し、地面に空気が通りやすくなる。

具体的には、広範囲には高刈り・撫で刈りをし、部分的に「風みちやけものみちを作るように」地際から刈るというメリハリをつけることで、ヤブ化していた敷地に風が通るようになり、その風がまた地面の空気通しを誘い、ヤブが鎮静していく。

ヤブを撲滅しようと地際からいっせいに広範囲に刈ることを繰り返していると、植生はどんどん単調になっていき、斜面も逆に崩れやすくなる。植物の細根化した根と共存することが斜面を安定させるのである。

高刈り・撫で刈りにはもうひとつ利点があって、後続の背丈の低い植物を残すことができる。そのあとできれいな花の植物や在来種などを発見したら、意識的に次の草刈りで残し、周囲を刈って元気にさせればよいのだ。

日本の山村の多くの場所で、石垣や斜面の下部にチャノキが植えられているのは、単なる自給のためではなく、根っこによって斜面を安定させる意味を持っている。お茶の採取や手入れがすなわち「高刈り・撫で刈り」になって細根化をうながすことにもなる。

ヤブが収まってきたら、実生で出てきた木本(もくほん)を残すことを意識して手刈りし、育ってきたら風通しと重心バランスをみながら剪定をしていく。とくに下枝は切り、幹・根周りの草は地際から刈って、樹木周りの風通しを確保する。

このGomyo倶楽部の敷地にも棚田跡の斜面にはチャノキが多数散在しているが、昨年くらいから意識的に残すように手刈りで誘導していたら、この秋は株が目立つようになり、花がたくさん咲き始めた。

なお、すべて手刈りでやっていたらとても作業は追いつかないので、やはりエンジンカッターも使っていくべきで、そのときはナイロンロープのもの併用するとよい。軽く安全でもあり、「高刈り・撫で刈り」に向く。また、部分的に地際から刈ることもでき、慣れれば観察しながら誤伐を避けることもできる。

もうひとつ気になっていたのが、小池のわきの鉢植えのローズマリーで、放置されたまま植木鉢の下から根を張り出しては雑草に埋もれ、本体も枯れ始めてかわいそうだった。掘り上げて植木鉢を壊し、もっと明るい場所に植え替えることにした(流しに降りる途中の法面下です)。

それによって植樹されたモクレンの風通しもよくなった。モクレン周囲の刈り込みと、枝の剪定もほどこしながら、この斜面のササを刈りながら観察すると、実生のケヤキ、モミ、エノキなどが出てきている(そして植樹されたカワズザクラもある)。注意深く雑草やツル植物を刈り込んでいけばいい感じの見所になると思う。

次回、12月第1週のイベントまでに、ドラム缶炭焼き窯を仮設置します。有志はお手伝いをお願いします!!

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