道々に春の木の花が咲く。フィールドに着くまでモチツツジ、キリ、ホオノキ、ジャケツイバラなどの開花を見る。フィールドは新緑真っ盛り。だが、双眼鏡で観察してみるもニホンミツバチの姿はなし。

今日は捕虫網を持参した。トンボやチョウを採って撮影しておきたい。しかし、天気がいいというのに、またしても虫が少ない五名であった。それでも春のトンボがちらちらと見られた。サナエトンボの仲間、コサナエ♂。サナエ=早苗である。その名のとおり田植えが始まる頃に飛び始める春を代表するトンボなのだ。小型で優しい姿である。

シオヤトンボ♀。雄雌ともシオカラトンボに似るが、一回り小さく山間部に多い。春一番に出現するトンボだ。あと羽の茶色いカワトンボも見かけたのだが、個体数が少なくてなかなか採れない。

サトキマダラヒカゲ。幼虫の食草はタケ・ササ類で、蛹で越冬する。春先に羽化したての美しい個体が見られる。

タケノコを探しに行こうということになり、堰堤の上流へ皆で散策に行ってみる。ところがさっぱり見当たらない。まだ早いのか? いやそんなことはない。2014年の4/12のブログに採取している記述がある。ならばすでに伸び始めた竹が出ていてもよさそうだが、それも見当たらないのだ。竹たちは衰退しているのだろうか? それなら好都合なのだが。

前回、ユキモチソウを観察した近くにエビネの群落を発見した。20株くらいはある。

沢にずり落ちそうな危うい斜面にぶら下がっている株があったので、救出して植え替えることにした。

広場に戻ると昼食が出来つつあった。今日はタマゴスープにオニギリである。

S先生が別の場所でようやく1本見つけてきた。

アルミホイルに包んで蒸し焼きにしよう。ダッジオーブンではN先生の東北土産、玉コンニャクが煮込まれていた。

さて、できた。タケノコは先端を斜めに切り、身が傷付かない深さに縦に1本切れ目を入れてから蒸すと皮を剥がしやすい。

さすがに掘り立てはなかな美味しい。醤油が欲しかった。
最後にサバ缶を投入してスープの完成。こいつは薬味のネギが欲しかったな。

さて、エビネは造園に詳しいN先生が根を切り分けて植え付けの株を分けていった。

地下には球根のような偽鱗茎(バルブ)が10個ほど連なっている。これがエビの背のように見えるのがエビネの名の由来なのだ。バルブは2個単位で切り離して増やすことができる。

S先生の手で、既存のエビネ群落の上流側の最下部に植えられた。

マムシグサの小さなものを見つけた。咲き始め1年生だろうか。

キエビネはやや上の方に3株咲いていた。

S先生の話では、この枯れた木のおかげで林床に光が射し、株が増えているのではないか、とのこと。しかし、この木もやがて枯れ枝が落ちてくるだろうから伐採しておきたいが・・・。

エビネとキエビネをスケッチすることにした。
その後、草刈りや残材を片付けしながら火燃し。

よく晴れた一日だった。水をかけて完全に火を消して本日は終了。

帰りがけ、ジャケツイバラを撮影に行った。車でしばらく走った山道の斜面にある。豆科の黄色い大きめの花で、双眼鏡で見ると実に美しく、また風変わりな花である。ときおり大きな尻を振るわせてクマンバチが吸密に訪れる。

ツル植物だが、西日本のスギ・ヒノキ伐採地ではこのジャケツイバラがはびこることがあるという。茎に鋭いトゲを持っていて、藪漕ぎなどで出会うとそのトゲが服の上から容赦なく貫通し、けっこう大変なんだそうだ。

近くにあればこれもスケッチをしたかった。
今回のエビネ・キエビネのスケッチです。

スケッチの道具たちを僕(大内)のブログにアップしました。