秋色がいちだんと深まる。今年の紅葉はなかなか美しい。しかし、寒さはまだやって来ず、生暖かいような変な気候だ。
前回の竹燠炭を回収しようと土嚢袋と小道具を持ってきた。とくにレーキは便利だった。土嚢袋3袋分回収。
今日の参加は4名と少ない。稲刈りや観察会のイベントなどで作業が滞っていたいつもの沢の上流へ。
田んぼ跡の湿地はイノシシのぬた場になっている。
今日の目標はこの段丘のなった場所の竹整理。奥の土の切り通しが見えるまで伐採整理したい。また、竹の切り旬の時期を迎えたので、切らずに残しておいた青竹も伐採して持ち運ぶ。
切り通しの右手に昔の炭窯の跡が大きく陥没している。そしてその先にシラカシの大樹がある。
作業開始。皆、竹切りの要領が分かってきてかなりスピードが上がるようになってきた。
途中でU先生が昼食の準備に戻る。手前が先日の焚き火跡。炭はきれいに回収されて平らになっている。しばらくは雑草も生えてこないだろう。
途中で私も加勢するが、どうもこのオイル缶カマドは穴に鍋底がぴったり着いてしまって熱効率が悪い。なのでまたブロックで簡易カマドを作って炎を立てる。今日のメニューは猪肉入りすいとんだ。まずは猪肉を入れて丹念にアクを取る。
U先生が自信なさそうだったので、小麦団子は私がこねることにする。
耳たぶくらいの硬さに。
それを手でちぎって親指で押して薄い団子状にしたものを、すでに味付けを終えた鍋の中に投入していく。群馬ではこれを「とっちゃなげ汁」と呼んでいたっけ(笑)。
しばらく煮て団子の芯まで火が通ったところで完成。
豆味噌を半分入れた。猪肉によく合う。猪肉は朝からコトコト煮ておくともっとやわらかく、いい出汁も出たかもしれない。薬味はネギと柚子胡椒と七味で。
午後の作業開始。さて、先日高知の壷屋で買ってきた両刃のナタの初おろしだが、やはりすごい切れ味だった。生竹の枝などはさっと舐めるように幹に沿わせるだけで簡単に切れてしまう。しかし、枯れ竹の枝は山作業の中でナタが対峙する最も硬い素材の一つである。さすがに若干の刃こぼれが出てしまった。
枯れてはいるが、叩いて割れるほどではない太い竹は、ナタ割りで細かくしてから束ねる。両刃のナタは竹割りにも威力を発揮する。
作業終盤、土の段丘が見えてきた。
シラカシの大樹もその全貌を現した。この奥が棚田跡になっているのだが、この大樹が伐られず残っていることが不思議でならない。普通は耕作と日照にじゃまなので伐るはずではないか? 根元から3つに分かれているのでご神木にしていたのかもしれない。
午後からH氏が来て水源の様子を見に来た。ため池への水が途切れて水深が浅くなっている。このままではアオサギに魚類を食われてしまう。
豪雨が続いたわけでもないのに、堰に砂利が溜まってパイプが水面から飛び出していた。上流の様子で分かるのだが、沢に落ちている枯れ竹が流れをせき止めてミニダムを作ってしまい、それが破れるときに土砂が一気に押し寄せているようである。それなら小雨でもこの状況になりうる。
H氏は砂をかいて取水パイプを沈めた後、堰への流入口に石組みで土砂止めを作っていった(矢印)。
植物に詳しいT先生が見たことのない美しい赤い果実を持ってきた、ビナンカズラ(サネカズラ)というつる性の植物だそうだ。西日本の照葉樹によく見られるそうで、ビナンカズラ(美男葛)の名の由来は、昔つるから粘液をとって整髪料に使ったからだそうである。
残念ながら実は食べられない。
H氏が撮ったリンドウ。今日は花びらを開いてくれた。
青竹はクラフト・建築資材用に車に積んで20本ほど運んだ。