本年度いよいよ最後の観察会。
この時期魚類の活性も低いため、用水枡の泥をさらえてドジョウを観察しようか、バードウオッチの双眼鏡を用意しようかと準備をしていましたが、警報級の寒波到来で前日から積雪の心配が・・・。
2/3午後、念のため偵察に行くと、東向きの活動場所は影の池や田んぼの端が凍っているものの、多和の北斜面に残っていたような雪は無し、よしよし、大丈夫。
が、しかし!
2/4当日は朝から雪が、しかもみるみる白くなって・・・。
開催を躊躇しましたが、集合場所の石田高校には参加希望の生徒や卒業生がきちんと集結。
またとない雪の五名を観察に行くことにしました。
交換寸前のスタッドレスタイヤを装着したジャンボタクシーと、Nのスタッドレス・農耕用4駆の軽トラ、F先生のスタッドレス装着フィットが石田高校を出発し、途中大内代表のスタッドレ装着スバルXVと合流。
石田高校出発時から吹雪いていた雪ですが、大川ダム周辺ではまさしく雪国の様相、ジャンボタクシーは早々にチェーン装着(乗車の生徒たちは大事にあまり気づいていない様子)。
恐る恐る登っていくジャンボタクシーと軽トラを尻目に、ぐんぐん上っていたフィットでしたが、実は活動場所を目前に、最後の登りでスタックしたとの電話連絡が。
バックするにも、ガードレール無しの激下りカーブがいくつも待ち受け、チャレンジャーF先生も顔面蒼白、追いついた大内代表も打つ手なく、乗車していたU先生や石高OBらに見守られながら、ナメクジのようにじわじわと下山し、別ルートで何とか無事到着したのでした。
チェーンを装着したジャンボタクシーは無事到着かと思われましたが、ゴール数10m手前の急坂でなんとチェーンが分解、生徒はここで下車しました。
この間も雪は降り続き、風が吹けば木立に降り積もった雪が舞って視界がなくなるほど、そこにはいつもの温暖な香川県とは思えない雪国がありました。
池や田んぼは雪の中、とりあえず堰堤を越えて活動場所を観察に。
堰堤うらのイノシシのヌタ場も雪におおわれ真っ白でした。
何かアニマルトラックがないか見渡しても、あっという間に積もっていく雪ですべて覆いつくされ真綿の布団を広げたようです。
箱罠内に侵入してまっすぐ引き返したタヌキと思われる足跡が一つ残っているだけでした。
帰ってから無人カメラの映像を確認してみると、前回観察会からイノシシの姿はなく、毎日のように2頭のタヌキが現れていました。
ユキモチソウやエビネの咲く最深部までたどり溜池まで無事帰還。
雪は降り続き、早々に引き上げないと帰りも危ないと判断し、それぞれ乗車して下り始めました。
が、しかし!ここでも、修理したチェーンを装着して数10m動いたばかりのジャンボタクシーがブレーキ、ハンドルに関係なく側溝めがけて滑落、左前輪が完全に脱輪してアウト!
雪の中しかも県道までは遠い山中、レッカー車もこれないのではと大人の頭の中は不安だらけなのに、雪の中車外に出た生徒たちは暢気に皆でふざけあう余裕でした。
しかし、五名で活動を続けてきた面々はじっとしていません。
側溝内で宙に浮いた前輪の下に、倒壊した台場クヌギの薪を突っ込む、桧丸太をテコにして前輪の接地圧を得る、後輪が脱輪しないようにグレーチングを借用、借りてきた足場板を差し込みそろそろ前進、無事側溝から脱出という一連の作業を、皆で協力してやり遂げ、遭難一歩手前から生還したのでした。
その後も、チェーンを外す最中に車軸に巻き付けてしまうというハプニングもあり、ジャンボタクシーの運転手さんは車の下に潜り込む羽目に・・・。そして最後はジャッキアップ、タイヤを外してようやくチェーンを撤収。
何とか全員石田高校まで送り届けてくれた運転手さん、ありがとうございました。
石田高校に戻ってみると朝の雪はとっくになくなり、いつもの姿に戻っていました。
五名で調理しようと準備していたキムチ鍋は、学校の施設をお借りして調理、下山してきた参加者をおにぎりとともに待っていてくれました。
豚のカシラ肉、小田漁師M君の小鯛やメバルの入った辛いキムチ鍋が体と心に染み入り、本当に無事生還できた歓びを実感させてくれました。
五名一面を覆った雪の観察会、ユキモチソウやエビネの開花時期の観察会での再開を約束して解散しました。
(報告:N 写真も)