「ディスカバー農山漁村の宝」奨励賞受賞式

農林水産省が主催する「ディスカバー農山漁村の宝」にGomyo倶楽部の活動を応募したところ、中国四国農政局・奨励賞を受賞しました。1/24に代表の大内邸にて授与式が行われました。

ディスカバー農山漁村の宝」は「農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより地域の活性化や所得向上に取り組んでいる優良な事例を選定し、全国への発信を通じて地域へ横展開を図る」・・・というもので今回が第9回目になります。


有識者の選考委員には俳優の永島敏行氏やシェフの三國清三氏などもいます。

Gomyo倶楽部に協力してくれている石田高校のワンダーフォーゲル部も同時受賞しました❗️

▼応募原稿を公開します。以下のようなものを送りました。

◎「Gomyo倶楽部」基本情報

1)団体の概要

平成28年4月に市民(非営利)団体「Gomyo倶楽部』(ごみょうくらぶ)結成。メンバーは香川県在住の自然愛好者、農業高校である香川県立石田高校の先生方や卒業生OBなどで構成される。東かがわ市五名地区の棚田のため池の維持、その周辺と上流部の環境保全をボランティアで行なっている。会員数は現在45名。代表は林業や山暮らしなどの著作をもつイラストレーター・著作家の大内正伸、他に副代表、会計、監査役を置く。理事に会発足前から棚田とため池の再生に尽力さている廣瀬敏則。毎月2回(第一・第三日曜日)の定例活動を行う。

2)キャッチフレーズ

「田んぼビオトープ」&自然学校

3)活動のきっかけ

豊かな自然の残る五名地区で、石田高校OBの廣瀬氏がため池の希少な水生昆虫や植物を守りたいと、放置されていた棚田を一人で長らく続けいた。それをサポートするため石田高校の先生方が声を掛け合い会が作られた。生き物を守るためには無農薬の田んぼが続けられていることが望ましく、また香川は雨が少ないことから水源の森も大切であり、沢の上流部には放置竹林で荒れていたのでその手入れも始めた。

4)取り組み概要

棚田でのコメ作り、ため池・沢の手入れ、竹林整備。定期的に棚田体験会やワークショップを行う。

◎取り組みの具体的内容及び成果

1)棚田・ため池保全への取り組み

平成16年の台風で土砂流失の被害を受け、大掛かりな補修工事で再生された棚田6枚に新規1枚を再開拓し、イセヒカリ、イノチニイチ、古代米などを毎年作付け収穫している。ため池の希少種(ゲンゴロウ、タガメ、カワバタモロコ等)も毎年確認されている。

2)竹林整備

林野庁・農林水産省の「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」を利用し平成28年より3年間、竹林整備を行った。付随して希少植物(ユキモチソウ、エビネ)のモニタリング調査も。

3)薪火の実践

枯れ竹や枯れ枝などが豊富にあることから、広場に石窯、タンドール窯、囲炉裏などを作ってあり、昼食やイベント時にはそれらを活用し、学生や子供たちに使い方を教えている。

3)学生たち子供たちとの交流

石田高校の生徒たちと共同で石窯づくり(学校のカリキュラム組み入れ)。棚田の一部を新鮮田としてイセヒカリを作り、平成26年より地元の富田神社と毎年「御田植え祭」にて石田高校の女生徒を中心に早乙女衣装のセレモニーを行っている。

4)他団体との取り組み

香川大学経済学部、地元再発見の旅「またたび」との共同プロジェクト。香川大学創造工学部、棚田の稲の生育調査協力。矢野智徳氏の「大地の再生」の施業を一部取り入れ、関係者とワークショップ等で交流している。

5)マスコミ紹介

『四国新聞』(地域EYE)、雑誌『IKUNAS』等

◎活動実績

棚田面積  0.125ha 

竹林整備  1.8ha                         

観察会等    27

会員数        45人

活動の主な変遷/Gomyo倶楽部設立/ 竹林整備 「 大地の再生」勉強会開催/生き物観察会開催/ピザ窯づくり/棚田観察会開催/またたび「日帰りバスツアー」開催/土作りワークショップ開催/タンドール窯づくり/かまど作り

◎今後の活動方向

小さな棚田で稲を育てるという日本人の原点を忘れずに継承していきたい。それを続けることで豊かな動植物が育まれるということを今後も皆とともに学んでいく。「大地の再生」を取り入れながら、採取した枯れ枝などで薪火を使って様々な調理をすることを伝えたい。昆虫相(とくにトンボ)の解明・同定をしたい。観察会及び様々なワークショップは、経験の少ない若い人たちを育てる貴重なものと思います。

◎活動に関するPR, エピソード

毎年行われる「お田植え祭」は富田神社の神主さんが正装で訪れ、舞(まい)も入るなど本式のもので、早乙女衣装の子供・学生たちが写真の被写体になって多方面から見学者が訪れるほど好評を博している。

『囲炉裏と薪火暮らしの本』の著者大内が監修した広場の薪火装置が多彩で「石窯」でピザやジビエのグリルをしたり「タンドール窯」でナンやタンドリーチキンを焼いたりとイベント時のみならず、とくに囲炉裏は毎回使われている。薪火の経験のない若いメンバーも火を操って調理ができるようになった。

ため池にいるタガメとゲンゴロウは香川ではここでしか見られない。カワバタモロコは四国では香川と徳島にしか分布しない天然記念物クラスの魚類。野生ランの仲間であるエビネの群落がみられ、日本固有種で四国と本州の一部にしか生息しないユキモチソウの自生地であるなど、レッドデータ希少種が多数生息分布する。乱獲・盗掘のマニアや業者を避けるため地図は公表せず、参加の問い合わせのみに場所を知らせている。

棚田~生き物~薪火~そして「大地の再生」とすでに「自然学校」の様相を呈しているが、会の運営はボランティアに任されているので、経済が回るようなシステムを構築できたらと考えている。

※写真キャプション

1)棚田上流の沢の荒廃竹林を整備する

2)Gomyo倶楽部の棚田

3)お田植え祭

4)ため池の生き物観察会

5)広場の薪火装置(右からピザ窯、タンドール窯、囲炉裏)

6)沢に自生するユキモチソウ

***

額装された書状をいただきました。

囲炉裏暖炉の前で授与。

農政局からは小野寺参事官ほか3名の方が来訪され、授与式のあと農林水産省の来年以降の展開の解説、そして今後のGomyo倶楽部の課題などについてディスカッションが行われました。

参事官が新著『「大地の再生」実践マニュアル』をご購入してくださいました❗️

受賞は皆様のご協力の賜物です。会の設立から今年で8年、新たな展開も楽しみです。今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いしたします。

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