観察会と落ち葉集め

冬の観察会。香川大学の原先生、男木島の小林さん、五名在住の女性お2方も参加。まずは堰堤上流へ。イノシシの檻はスタンバイ状態だが、なかなか檻の中の餌を食べてくれない。

手前の餌にだけ食べ跡があった。

N先生がモニターを付けてくれた。動画には4頭のイノシシが映っていた。確実にいるのだ。その他、サル、タヌキなども。彼らも檻の中には入らない。警戒心はかなり強いようだ。

上流での観察会は、五名から参加されたIさんのお爺さんが炭焼きをされていたということで、炭窯の跡を観察しながらその話題で盛り上がった。いま「萌芽更新」という概念も知らない人が多い。炭焼きによって、つまり木を部分的に伐ることによって、山が守られていた、そして豊かな里山生物を育んでいた、ということを強調した。

広場に戻ってお茶を飲んだ後、Hさん講師でこの棚田とため池の来歴を聴く。

今回、初耳だったのは五名から参加されたKさんが、学校のプールでゲンゴロウを見たことがあるという話だった。だから、香川県でここだけになってしまったということに驚いた・・・という。これだけため池の多い香川県で、ゲンゴロウは絶滅危惧種にまで追いつめられたが、近年まで五名にだけは細々と生息していたのだ。だが、子供の頃から当たり前のように見ていた五名の人たちはその希少性を知らなかった。Hさんの保護活動が理解されなかったのはそんな背景もあるらしい。

また、五名の昔の田んぼの特異性として、水が抜けやすい土質のため、完全な乾田化を避け、田んぼに水たまりが残ることが多かった。それも生物を生きやすくさせていたのではないか。

そして田んぼの雑草のコナギなどが産卵床になるので、除草剤を使い始めたらゲンゴロウは消滅する。また、田植えを早く行なう習慣ができ、ゲンゴロウの生きるサイクルと農業が合わなくなってきた。ゲンゴロウは農薬には案外強いそうなのだが、生態のサイクルを人間の農業に合わせることはできない。

里山というものの精妙さをうかがわせる話だった。

昼は味噌味のイノシシ汁。

野菜もたっぷり。

そしてお餅入り。五名で作った餅米のお餅を、五名で食べる。赤いのは古代米(赤米)の餅米だからだ。

今日は香川大の先生や五名からの参加者がいたので話が弾んだ。

デザート(?)に鏡餅を焼く。厚みもある餅も、炭火ではよく火が通る。炭は枯れ竹を燃やした後にできる燠炭である。火力が小さいので網の位置を低く、そして風を送って炭を赤くするのがコツ。しかし、炭火焼きの餅は美味い! 皆それに気づいてくれたかな?

食後、子どもたちは凧揚げ。

午後から作業。片付けと薪集め。

薪置き場の古い薪は全部片付けて、草刈りで斜面を出した。ここに石窯を作ろうか・・・と計画中。

看板前の竹の小枝類も整理した。小枝は腐りにくいので手を焼く。

竹の落ち葉を燃やすのはちょっと危険を感じたので、神饌田の中に落ち葉の堆肥場を作ることにした。竹の杭を4方にダブルで打って、そこに竹をログハウスのように交互にまたがせる。

ちょっとすき間が大きいがとりあえず箱ができた。ここに落ち葉を積む。

山の斜面下の側溝にはどっさりと落ち葉が堆積しており、そこにはなんと・・・

こんなものが生息しているのだった。カブトムシの幼虫である。

側溝の流れ始めの部分には、昨年あるいは一昨年の落ち葉が流れずに堆積しそれが腐葉土化していて、そこに2匹の幼虫がいた。

この落ち葉は田植え前に漉き込んでしまう予定だが、新たに堆肥場を作って通年重ねておけばカブトムシは確実に増えるだろう。カブトムシもまた人の営みに大きく関わる虫なのだ。

さっそく遊び場にしてしまう子供たち(笑)。

ブルーシートをかけて完了。しかし、ボロボロになったブルーシートがそろそろ会の歴史を語り始めておりますなw。

※昨年の忘年会の様子は大内のブログ記事、餅搗き&Gomyo倶楽部忘年会2017で読むことができます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする